kintoneとは?中小企業が導入すべき理由と失敗事例から学ぶメリット・デメリット

ビジネスの現場で、効率的な課題解決が求められています。弊社が2016年より7年以上にわたり信頼してご提案しているのが「kintone(キントーン)」です。

長年の実戦経験をもとに、この強力な「kintone」がどのように起業家や企業にとってのメリット・デメリットを持つのか、伴走型の支援を軸に解説します。

この記事を通じて、kintoneの可能性を知り、より本当に大事な時間に当てられるようになるためにノウハウを思いっきり書きましたのでぜひお読みください。

中小企業の情報一元管理には欠かせない「kintone」とは?

引用:kintone公式サイト

サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区 プライム市場)が提供する国産ツール。累計30,000社以上・毎月500社以上(2023年8月現在)とものすごい勢いで普及しているクラウドサービスです。

孫悟空が空を飛ぶために乗る雲、筋斗雲(きんとうん)から命名されたそうです。クラウド(雲)系のサービスとしてこの命名のセンスは素晴らしいなと感じています。

具体的にどのような状況でkintoneの導入が多いかというと

  • 今まで表計算ソフトでやっていた業務をクラウド化してより便利に
  • 営業リストなど顧客管理
  • 財務・労務などの管理に
  • 報告書や面談記録など日々増えていくレポート管理
  • Webサイトのお問い合わせなど見込み客管理
  • 社内ポータルとして業務改善
  • 基幹システムとのデータ連携
  • 有給申請など申請業務のフロー化
  • スキャンしたデータや契約書などのファイル管理

この羅列を見るだけでも分かると思いますが非常に多様性に富んだツールであり、この汎用性の高さと「サクッと」カスタマイズできる手軽さから利用者が増えている人気ツールです。

kintoneのメリット

メリット①国産ツールで情報が安心

正直同じようなデータベースツールは多数あります。超有名なSalesForce、Airtableなど。しかしオススメできる一番の理由はサイボウズ株式会社が提供する国産ツールであることです。

国産ツールということはドキュメントもサポートも日本語で受けられるということです。海外のサービスが多いIT業界においてこれはとても大きなメリットなんです。

日本特有のビジネスにおいて必要なものが含まれていることも大きなポイントです。セキュリティ、権限をしっかりと分ける、承認フローなど日本企業の常識がしっかりと考えられているのが海外のサービスと大きな差です。

この点においてkintoneは海外のクラウドツールとは一線を画すことを断言できます。

メリット②ITに詳しくない人でもカスタマイズできる

他のITツールと比べてもkintoneは非常に分かりやすく作られています。

ドラッグ&ドロップで項目を増やし、ExcelのVLOOKUPの概念が分かればアプリとアプリをどんどん連携させて便利にしていくことができます。

弊社の経験上、一緒にプロジェクトを経験した顧客がどんどん自分でカスタマイズして育てていく状況になります。それほど手軽に便利にシステムをカスタマイズしていけるのが魅力です。

資格があるぐらい情報もまとまっていますし、非エンジニア向けにかなり情報が充実しています。

これほど無料で導入までの情報やサポートが受けれるサービスはなかなか無いでしょう。

メリット③手軽なWebの技術で拡張できる

有名な「Salesforce」の場合、拡張する言語「Apex」は扱えるエンジニアが少なく単価が高額になりがちです。当然海外のサービスの独自言語なので情報もすべて英語。正直大手企業が自社で人材を育ててないと対応できる方は非常に限られます。

その点kintoneはJavaScriptやCSSで拡張できるため、一般的なWebサイトの技術を使いこなせる方であれば拡張できます。またそのドキュメントも日本語であるため非常にハードルが低く、コストを抑えることができます。

わざわざ高い月額費用を払わなくても、手軽にWeb系の技術者に依頼してやりたいことを実現してもらうことができます。

kintoneのデメリット

デメリット① アイデアが無いと育たない

カスタマイズ自体は簡単です。しかし、より理想の働き方を実現するとなるとやはり最低限の知識やアイデアが必要となります。

そのため大事なのが現場のスタッフが「もっとこうしたい」とアイデアを考えて提案してくれる文化を創ること、「よりこんなことができたら便利かもしれない」とワクワクする未来を考えることが大事です。

世の中の一般的な多くの人は「用意されたシステムをそのまま使うだけ。知らないところを触るのは怖い」とシステムをそのまま触り続けることに縛られてしまう方のほうが多いです。

デメリット② 設計を間違えると出戻りが大変

カスタマイズが手軽なのは大きなメリットなのですが、データベースの設計というのは少しばかり学習する必要があります。

例えば次のような例があります。

  • 住所をまとめて入力してもらっていたら「東京都」が「京都」の検索にひっかかってしまう。都道府県は分けるべきだった。
  • 姓名を一つにしていたら、外部連携ツールで使うときに姓名を分けてデータとして渡す必要があった。分割できずに困った

これは本当にライトな例ですが、実際はもっと複雑なレベルでアプリの設計する上でデータベースの設計する知識がなかったことであとから戻すには大変な運用を間違って始めてしまうケースもあります。

そうなってしまうと「使いにくい」「分かりにくい」「整理されていない」ツールになってしまい、現場から不満がでてしまうでしょう。

デメリット② 便利な有料プラグインを増やし続けるとランニングコストが高くなる

無料/有料で様々なアプリが用意されている。引用元:kintone拡張機能

kintoneには便利な拡張プラグインが豊富にあります。プラグインを利用することで、たくさんの企業の困ったを解決することができます。

しかし、オープンソースのようなものとは違い、これらのプラグインは企業の貴重な収入源となっています。

もちろん手軽ではありますが、多くの場合は月額いくら、年額いくらという価格設定がされており、一度導入すると継続的に利用する可能性が高い性質上、想像以上にランニングコストがかかってしまうこともありますので気をつけましょう。

また、拡張機能を使うにはスタンダードコース以上にする必要があり、1ユーザー1500円/月のプランに加入する必要があるため、人数の多い組織ではそれなりにコスト掛かるでご注意ください。

なお、ぜひ知っていただきたいアプリは後述してますのでそちらをご覧ください。

kintoneの失敗導入事例を学ぶ

プロジェクトの成功は優秀な人がいたり、予算がたくさんあったりなど外側からでは分からない様々な要因が多いです。そのためプロジェクト成功のために本当に大事なのは失敗事例を先に知ることです。知っておきたいkintoneの導入失敗事例をご紹介します。

「kintone 失敗事例」で検索すると他社の事例を紹介しているだけのページだったり、失敗と言いつつそこから改善した成功事例の話だったりが大半です。

ここでは実際に弊社が知る「kintoneですか・・・前に導入したんですけど辞めたんですよね」という事例を紹介します。

導入したけど使い方が上手く分からず自然消滅した

便利なサービスも使いこなせなければ無駄になってしまいます。今の社会ではまだまだITに弱い人が多く、

「知らないところは触ったらダメ」
「分からない言葉が多くて怖い」

といった苦手意識や人に迷惑がかからないように余計なことをしてはダメだという気持ちで触る人もまだまだ多いです。

そのためしっかり勉強して使いこなす気持ちがないと、「導入したけどこれ便利なのか?」という状態で放置し、自然消滅したというお話を何度か聞きました。

どうしてみんな使うのか?便利だというのか?その真意を確かめる努力をしなければ本当の価値に気づけないでしょう。

ログインするのが面倒だった

とりあえず導入し、使い始めてみたというところまではなんとか到達しました。しかし次に待っている壁は「ログインしないと見ないし使わないな〜」という状況です。

これが起こる原因として
「現状使ってるサービスで問題なく回っている」
「業務フロー上でログインしてみる理由が弱い」

等が挙げられます。

弊社の例で言えばkintoneに新規レコードが増えた場合や更新があった場合に普段使っている業務用のツールと連携させたり、データが溜まることでどんなレポートが見えるのかレクチャーしたりして「自然に見る」という状態を作るようにしています。

機能が少なくて、物足りなかった

ログインし、「なんとなくこういうツールなのね」と分かったという状態で止まってしまうのがこれ。kintoneは業務改善プラットフォームという特性上、現場の業務に合わせてカスタマイズしていく必要があります。

つまり、重要なのは「もっとこうなったら便利だな」と考え続けるアイデア力です。

上述したように用意されたものを触るだけというスタンスではkintoneの真価は発揮されません。kintoneはエンジニアじゃなくてもカスタマイズできるノーコードが売りです。そのためシステムを育てる気持ちがないと不便なツールのまま終わってしまうでしょう。

不便だなと思うことがあれば、実は同じように課題にぶつかり解決してきた会社がたくさんあり、すでに解決方法が確立されてるということは珍しくありませんので諦めず調べてたり有識者に聞いてみましょう。

現場の運用テスト不足で使ってもらえないシステムに

これはkintoneに限らず、すべてのシステムに言えることですが絵に書いた餅状態で作ったシステムは効率どころか現場を混乱に陥れます。

実際に現場で運用テストから分かることが弊社の体感としても3-4割ぐらい占めると感じています。そのため原則としてたたき台を作る→現場に使ってもらうテスト→改善を繰り返して社内に展開していくシステムとして育てていく必要があります。

失敗するシステムの特徴として、現場に試してもらうのが最終フェーズというパターンです。出来上がりすぎたシステムは現場も理解するのに時間を要するため難易度がすごく上がります。

できれば開発担当者も現場も「なぜそうなったのか」を知っておかないと後々恩恵があることだったとしても分からずに不便だなと感じてしまうことも多いでしょう。

いくつか主要な機能ができる度に現場に触って貰う機会を設けるようにしましょう。

社内に文化浸透・展開できない

さて、いくつか失敗する事例をお話してきましたが、ようやくシステムが作り込まれ現場でのテストもして、よし他部署にも展開するぞとなったときに展開しきれず挫折するというケースです。

kintoneのような業務フローに関わるようなシステムは、「こんな便利なシステムができたので使ってください」という状態で社内展開できるのは10人以下とか目が届く範囲の規模でしょう。

しかし30人、50人、100人という規模になってくるとまた話が変わってきます。

「え、そんなの聞いてない」
「配属されたばかりだから慣れない」
「うちの部署では今のシステムをそのまま使いたい」

など様々な意見が上がってくるでしょう。そのためkintoneのようなプロジェクトで業務改善を行うためには「便利なシステムを使ってください」という認識ではなく「業務効率化のために会社全体が力を入れて取り組んでいるプロジェクト」みたいなミッションやビジョンがしっかり分かるような事前共有・巻き込み方などが必要です。

もしもkintone含めてシステム開発などにおいて開発の話だけで終わるパートナーは要注意。テストや試験運用、公開、公開後のアップデートなどが計画に含まれているかしっかり確認しましょう。

中小企業のkintone導入事例

実際に中小企業でどのように活用されているのか弊社事例を基に紹介します。

情報の一元管理から生まれる生産性〜就労支援〜

就労支援を行うNPO法人のkintone化。このNPO法人では自社サイトにて求人申し込み、イベント参加、面談記録など多数のデータをkintoneに集約し、2016年から運用しています。

そうすることで面談に来た人が過去にどんなイベントに参加してくれたのか分かるようになったり、興味関心の情報から求人情報と紐づいた行動が見えるようになったりとこれまでバラバラだった情報が一つに集約されました。

それをキッカケにメールを管理するツール「メールワイズ」を導入したり、有給休暇申請をkintone x ChatWork連携させてスムーズなフローを確立したりなど活用の幅がどんどん広がっています。

弊社事例:データの一元管理による組織の生産性アップに貢献

請求書は?送った?入金あった?生産性のない業務を一生なくす〜バックオフィス業務効率化〜

これは弊社の事例なのですが、弊社は元々フリーランスとして個人の業務から成長し法人化しました。法人化に伴い事務のスタッフが増えたときに今まで一人でやっていた請求→入金までの流れの連携が複数人になることで悪くなり、生産性がないのでどうにかしないといけないと課題解決することになりました。

弊社事例:kintoneからすぐに請求書作成→PDFにする仕組みでコミュニケーションコストを大幅削減

<Before>
1.一人の場合
請求書を表計算ソフトで作る→PDFで書き出す→相手に送付する→入金を確認する

2.法人化し、事務が増えた場合
請求書を表計算ソフトで作る→PDFで書き出し、元ファイルをクラウドストレージに入れる→事務に入れた&送付した連絡→あれ入金ありました?と事務に確認する…

<After(kintoneで仕組み化)>
kintoneで顧客管理・案件管理アプリを作成。
請求する案件情報を入力・PDFとして保存可能→送付済みにチェックで入金待ちリストが作成→事務が入金確認したら入金済みにチェックを入れる→リストから消えるので聞かなくても状況が分かる。

表計算ソフトやクラウドストレージなど使っていたごちゃついた業務を「情報を入力する」「入金予定リストを更新する」という業務に集約させ、コミュニケーションコストを可能な限り無くしました。

弊社事例なのでここまでですが、これが企業向けであればさらに更新する度にチャットツールに通知をおくる、会計ソフトと直接連携するなどさらに発展できることでしょう。

Excelの属人管理からの脱却と業務フローの確率〜 VTuber/Vライバー事務所〜

これはとあるVライバー事務所の事例です。その会社では今までお問い合わせがあり面談、契約、立ち絵のヒアリング、デビューのサポートなどを属人的かつGoogleスプレッドシートで管理していました。

しかし、表計算ソフトで顧客管理は非常に危険です。どこを更新したのかわからなくなる、誤作業で列がズレてしまうなど最初は手軽な分、トラブルに繋がる問題が多く潜んでいます。

特に大きな問題はスタッフが入れ替わった際にゼロからそのシートの使い方をレクチャーしないといけないことでした。毎日業務に関わっているならともかく初めてのときや少し日が空いた場合の学習・引き継ぎコストが非常に高くなってしまいます。

そのためこれらの業務フロー用のサポートサイトをWordPressで構築。kintoneと連携し、ダッシュボードでステップごとにステータス別で管理できるようにし、今どのステータスでどんなタスクが動かせるのか初めての人でも「見たら分かる」状態に。脱表計算ソフト化し、ユーザー側のアクションがトリガーでコミュニケーションコストを大幅に減らしました。

弊社Vライバー事務所のDX支援事例

これにより緊急ヘルプで人材が増えても対応できたり、これまで手動でやっていた業務を自動化したりと属人性を可能な限り減らし、本来時間を使うべき面談・イラストのヒアリングに専念してもらえるよう時間を捻出する仕組みを作りました。

その他にも事務所用のデータをユーザー別に分けて提供できる仕組みなどサポートの質も向上させる仕組みを用意したりと発展性があるシステムをkintoneで実現しました。

多数のツールを使って収集がつかない状態をkintoneで一括管理〜求人広告代理店〜

世の中にはkintoneを含めて便利なツールが多数あります。とある求人広告の代理店では自社ツール、タスク管理のTrello、Googleスプレッドシート、airtableなどの複数のツールを使いこなして業務を遂行していました。

しかし、アプリ間ではデータを連携してないため同じ情報を何度も入力する羽目になったり、データを精査するためには担当者に確認するなどITツールを活用しているはずなのに不便さを感じる状態に。そんな中kintoneの導入が検討され、伴走パートナーとして弊社を選んでいただけました。

毎週訪問しながらご担当者様に学んでいただき、現場で運用できる仕組みを構築。まもなく運用開始でこちらは後日事例インタビュー記事を公開予定です。このように社内で使っているいくついかのツールを集約するというオーダーもいただくことがあります。

詳しくは下記事例インタビューをご覧ください。

知っておくと便利な無料/有料プラグイン

弊社でもよく利用または提案させていただくツールです。少しkintoneを導入すると出てくる不満を解決できるプラグインたちです。

Excel風に編集できる「kintone スプレッドシート」プラグイン

kintoneの一覧画面をExcel風に編集できるようにするプラグイン。表計算ソフトから移行するならぜひ使いたいプラグインです。

チェック外すには理由を入力して!「条件分岐処理プラグイン」

(執筆中。。。。。。)

複雑な紐づけを実現できる「KrewData」

直感的なアプリの紐づけが可能。引用元:https://krew.grapecity.com/products/krewdata.htm

便利な有料プラグインがこちら。kintoneは標準のレポート機能でも十分優秀ですが、少し特殊な集計をしようとすると途端に自由度が減ります。そんなときに大活躍するのがこちらの有料プラグインです。

会計ソフトfreeeと連携「freee for kintone」

会計ソフトと連携が可能! 引用元:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/freee002.html

定番のクラウド会計ソフト「freee」と連携が可能です。例えばkintoneで顧客管理などし、会計ソフトと連携させて入金ステータスなどの連携が可能。会計ソフトを開かなくてもkintone側でグラフを表示したりなどできます。

カレンダー表示の決定版「カレンダーPlus」

カレンダー表示の決定版プラグイン 引用元:https://radical-bridge.com/product/calendarPlus.html

面談予約、商品発送日といった日付のデータをカレンダーに表示するときに大活躍するプラグイン。普通のカレンダー表示もありますが必要最低限なのでちょっと機能が欲しい場合一社に1つは購入したいプラグイン。有料プラグインですが買い切りなのがポイント高いです。

たくさんのメールフォーム作るなら「FormBridge」

外部フォームからデータをkintoneに。引用元:https://fb.kintoneapp.com/

コロナの持続化給付金申請みたいなときに大活躍したのがこの有料プラグイン。メールフォームを簡単に作成し、そのデータをkintoneに流し込みできます。アンケートやイベント受付など様々なものに使えます。これまでGoogleフォームなどでやっていた業務を移行するとデータが一元管理され便利です。

もしもWeb系の技術者であればWordPressのメールフォームのプラグインも存在します。

kintone成功のコツは「伴走支援」

あなたがシステム開発、データベース設計、保守運用の経験が豊富があれば必要ありませんが、多くのkintoneのシステムを依頼する方はそうではありません。そのためkintoneの知識を身につける事も含めて短期というよりも長期でシステムを育てながら作っていく「伴走型」を強くオススメします。

理由① 現場に浸透するまでがゴール

システムは作って終わりではありません。実際に運用開始し、現場の方が使いこなせる状態でき上がることが大切です。

そのためkintoneの開発することがゴールではなく、作り上げて現場に展開し運用することが一つのゴールとなります。

良くないパートナーにあたってしまうと、開発するだけ開発してプロジェクト終わりという雑な扱いをされる場合もあります。必ず一緒に運用まで走ってくれるパートナーを探しましょう。

理由② 予算を初期開発と運用フェーズで分ける

もし仮に100万円の予算があるのであれば、初期開発として必要最低限のミニマムな前述したMVPを開発する予算に。残りの予算を実際に動かしてみてわかったこと、調整したいことのブラッシュアップに予算を使うことをオススメします。

予算のすべてを初期開発に投入してもらうと、終わりがイメージしにくい追加開発が始まってしまいます。また、初期開発で想定していたことが運用開始してみたら思っていたのと違ったというケースはかなりよくある話です。

可能であれば初期の開発と運用で予算を分けて投資することをオススメします。そして開発から運用して定着までの一連の流れを一緒に経験してくれるパートナーであれば良いでしょう。

細く長く続けられる関係を作ろう

kintoneは上手く運用が始まるとスタッフによってカスタマイズされたり、より便利なアプリになるように進化を続けるようになります。

そうすると
「こういうことしたいけどできるか?
「こんな感じにしたいけど上手く行かない」
といった意見や相談がでやすくなってきます。

そのため少額で突発的な相談も起こりやすく、気軽に相談できて長い付き合いができるような関係性を開発パートナーさんと作ることが大事です。

追加改修は一回◯十万円以上!見積もり自体にお金がかかります。そういった感覚の会社には気をつけましょう!

注意!こんな業者には気をつけよう

開発することが目的でヒアリング不足な会社

例えば弊社であれば「フルコミットできるキャパシティを創る」をテーマに実績・経験を積んでいます。顧客は必ず「kintoneのアプリを開発する」ことが目的ではなく、その先に「時間を創る」「データを貯める」「情報共有を楽にする」などゴールが存在します。

このゴールに向けたヒアリングをできる企業なのかどうかでプロ感が大きく変わってきます。

調べればたくさんの開発パートナーさんが見つかるでしょう。しかし、それらの企業が「何に強い会社なのか?」しっかりと無料相談など通じて相手の文化に触れることが大切です。

社内への展開支援や運用コストなどを触れない会社

kintoneは導入してからがはじまりといっても過言ではありません。もちろんアプリを設計・開発ことは大事なのですが、本当に大事なのは運用が始まって社内に展開したり、それをどんどんアップデートしていくタイミングです。

良くない企業の場合、初期開発で高額なコストを掛けたのにも関わらずさらに運用コストも掛かる。顧客理解が足りないと答えにたどり着く時間が掛かるため余計コストが掛かってしまいます。

初期開発は安かったけど、月々改修していくのにコストが掛かりすぎるというケースもあるのでご注意ください。

伴走支援と言いつつ短期で終わらせることを強いる会社

最小限の状態を作って試そうならば良いのですが、運用開始までをとにかく最短で高単価でとなると注意が必要です。

実際開発してみると分かりますが担当者が知識を覚えて実践できる状態になり、社内に展開し、保守の問題もクリアにするとなるとどれだけ頑張っても数ヶ月かかります。

開発する会社として早く納品して次の案件に行けば利益はでます。そういった空気感がでている開発パートナーさんもいらっしゃるので気をつけてください。

弊社の経験上担当者もkintoneの知識を習得し、ディスカッションして意思決定できるまでにはそれなりの時間がかかります。

最初のヒアリング時には経験値ゼロベースで話が広がっているので顧客が本当に欲しい物を説明できているか疑うところから始める必要があり、担当者の教育がある程度構築しながら身についてからが本当のスタートです。このタイミングから設計が変わってくることも珍しくありません。

開発知識はあるのに運用経験が無い会社

これはkintoneに限った話ではありませんが、システム開発会社に発注してあとあと成果がでない要因の一つに「運用経験が乏しい会社に発注してしまった」というのがあります。

弊社でもスタートアップのWebサービスの開発に関わるようなこともあるのですが、その際にマッチングする会社に重点を置いていることは「運用経験」が現在進行系であることです。

システムを作って問題を解決することと、運用し続けてユーザーサポートの経験があるかどうかは非常に大きな差があります。

運用経験が乏しい設計・開発担当者が作ったシステムは想定が甘く、後々追加作業が多く発生する傾向にあります。

社会的な活動に。NPOや自治体支援プラン

引用:https://npo.cybozu.co.jp/

嬉しいことにNPO法人や自治体・PTAなどに向けた非商用ライセンスも提供されています。手頃な金額で導入できるので該当する方はぜひチェックしてみてください。

kintoneだけではなく同じサイボウズ社のサービスであるGaroon(ガルーン)、メールワイズなども用意されています。弊社でも契約されている顧客でNPO法人様がいらっしゃいます。

よくある質問 SalesForceとkintoneの違い

Salesforce(セールスフォース)とは米国カルフォニアに本社を置く世界トップシェアの営業支援(SFA)・顧客管理(CRM)プラットフォームです。弊社では行政案件でSalesforceのプロジェクトにも関わったことがあるのですが、そこで感じたkintoneとの違いについてお話したいと思います。

必ず抑えておきたいプロダクトの目的の違い

まず、大前提としてSalesforceは営業支援・顧客管理システムとして設計されたサービスです。一方でkintoneは業務改善サービスという側面があります。同じように似たクラウドデータベースとして機能するサービスですが、強みが違うわけです。

世の中には様々なITサービスが存在しますが、そのサービスが何を目的として作られているのかを把握することは非常に大切です。目的に沿って利用していかなければそのサービスがバージョンアップを重ねていくごとに使いにくくなってしまう可能性もあるからです。

費用面でランニングコストがお得

Salesforceは様々な機能が一番安いEssentialsプランで3,000円/月です。kintoneは最低限の機能のライトプランで780円/月、APIを使って外部との連携などができるスタンダードプランで1,500円/月です。単純に最低限のクラウドデータベースとして利用する分には倍以上の金額差があります。スタッフの人数が多い場合、大きな価格差になります。※2023/08/15現在

特にSalesforceは一番安いEssentialsは月10名までのユーザーが対象のため、それ以上は1ユーザー9,000円となかなかの金額になります。

費用面でSalesforceは金額が高く、用意されている機能をしっかり使いこなすイメージがあれば問題ありません。しかし、お試しでシステム化してみたい。CRMなど情報の一元管理による恩恵を試してみたいと思うのであれば安価なkintoneから始めると良いでしょう。

逆に用意された機能を使ってSalesforceでやることがゴールまで見えているという場合は、余計なカスタマイズなどしなくてもメール配信など必要な顧客管理の機能が揃っているSalesforceのほうが便利だと感じる場合もあります。

開発・保守の人材確保の豊富さ

通常の機能でカスタマイズできないとき、機能拡張する際にリソースで困ることがあります。

SalesforceはJavaベースの独自言語「Apex」を使うため、開発者を見つけるのが難しいことがあります。フリーランスや転職エージェントで探せばすぐに見つかるような人材でもありません。良い人材は企業が抱きかかえているためコストが高くついてしまいます。

その点、kintoneは一般的なWeb技術(JavaScriptやCSS)を使うので、開発者が見つけやすいです。サポートや説明書が日本語のためkintoneの経験がない人に理解してもらって業務に関わってもらうことも容易です。

「kintoneのエンジニア」を探すと見つかりにくいかもしれませんが、Webの技術を使える人に公式ドキュメントやサンプルソースを見てもらうとできるかどうか判断できると思います。(少なくとも私はすんなり最低限の情報があれば開発開始できました)

DX支援ツールとしても十分なポテンシャル

DXBootでは積極的にDXを実現するツールとしてkintoneを提案しています。

もちろんkintoneが全てとは限りません。場合によってはSalesForceやairtableなどのツールで実現した方がいいこともあるでしょう。

私達DXBootはツールの開発会社ではなく、コンサルティングを通じて「本当に大事な未来の時間を創る」ことがミッションだと考えています。

先述した事例紹介のようにkintoneを導入することで社内のデータを一元管理し、それによって様々な業務が連携できるようになったり、レポーティングできたり、スマホ/タブレットアプリで現場で使えたりとデータベースあることによるその可能性は計り知れません。

kintoneだけでなく、Webサイト、Slack、Google Workspaceなど様々なツールが連携することで大事な情報はシェアされ、セキュアに守られ、情報が繋がり新しい知見を得ることもできることでしょう。

中小企業の担当者向けにDXについて大事なことをまとめましたのでより詳しくはこちらの記事をご覧ください。

参考・関連リンク

大阪でkintone開発ならDXBootへ

ここまでお読み頂きありがとうございます。弊社は「DXBoot」というサービス名で企業のDXコンサル・IT顧問などを提供しています。

特徴として次のような点があります。

  • 設計のためのワークショップを初回に開催
  • 大阪の中小企業を対象に対面打ち合わせを重視
  • 単価の高さよりも付き合いの長さを重視
  • kintoneのプロではなく、時間を生み出すプロ
  • エンジニアでなく、サービス設計のプロであるUXデザイナーが在籍

これらが一般的なkintoneやシステム開発会社と違う点です。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。月20万円〜の開発プランから月5万円からのサポートを受けるプランまで相談に乗ります。